更年期障害は女性特有のものではなく、男性にも起こります。40才頃から60代前半の男性において、加齢や心身の過度のストレスなどが原因となって、さまざまなテストステロン(男性ホルモン)の欠乏症状が生じ、不快な症状が表われる現象です。最近になって、やっと男性の更年期症状も知られてきましたが、女性の更年期ほどにはまだ認知されていないことも多く、周囲の理解が得にくい分、深刻な問題といえるでしょう。
男性更年期の場合は、女性に比べ、緩やかに「気」が低下していくため、「気虚(ききょ)」と呼ばれる症状が表われます。 代表的なものとしては、何事にもやる気が失せてきたり、集中力が低下するなどといった症状がみられます。
具体的にどのような症状が表われるか、以下に列挙してみました。これらの症状すべてにあてはまる人はめったにいませんが、半数以上あてはまる場合は更年期障害の可能性があります。また、該当数が少なくても、症状がつらい場合は、泌尿器科などに相談し、検査を受けるようにして下さい。
男性更年期によくみられる症状は以下の3種類に分類されます。
女性の場合にくらべ、男性ホルモンの減少スピードは緩やかではあるものの、テストステロンが減少することにより、女性とほぼ同じ症状が起こります。受診時には、AMSなどの問診表と、血中のフリーテストステロン(活動型テストステロン)の値から、総合して診断します。
男性更年期症状においても、女性の場合と同様、本人の性格や環境の変化が大きな影響を及ぼしていると考えられます。生真面目で几帳面だったり、責任感や競争心が強い性格の人に表われやすいと言われています。
また、仕事のストレスが大きい場合や、仕事が忙しすぎて、家族とのコミュニケーションがうまく取れないなどといったことも一因となります。
男性更年期障害の治療で、最も即効性が期待できるのは、HRT(ホルモン補充療法)です。通常は2〜3週間に1回の割合で、テストステロンを筋肉注射しますが、健康保険が適用されるので、安い費用で受けることが可能です。
但し、注意しなくてはならないのは、前立腺ガンのリスクが高くなることです。そのため、治療を開始する前には、PSA(前立腺特異抗原)値の測定をして、前立腺腫瘍の有無を確認します。その他にも副作用として、肝機能障害や多血症などが起こる場合がありますので、治療中は水分を多めにとるように心掛けましょう。
テストステロンの直接投与が出来ない人に対しては、以下のような漢方薬を使った治療を行います。なお、漢方薬はHRTにくらべ、効きめが穏やかなため、効果が表われるまでには、2〜3ヶ月ほどかかりますが、全体の約6〜7割の人に効果がみられます。
オクラ・山芋・納豆などのネバネバ食品には、強壮効果があると言われますが、大切なのは、栄養バランスのとれた食事を、規則正しくとることです。
また、男性ホルモンの乱れを引き起こさないためには、平日・休日を問わず、起床時間を一定に保つことが必要です。適度な運動や趣味を持つことにより、メリハリのある生活を送るように心掛けましょう。